3月の魚病診断情報

更新日:2021年04月10日

3月の魚病診断はマダイのエピテリオシスチス症、ビバギナ症でした。エピテリオシスチス症は主に種苗導入期~夏季にかけて稚魚で発生します。ビバギナ症は主に稚魚で発生し、以前は冬季の病気とされたが、周年発生するようになっています。どちらの病気も春から導入される種苗に複合して罹るケースが見られ、寄生が増加すると餌食いが悪く、遊泳が緩慢になりへい死が増加するのでご注意ください。尚、処置方法はそれぞれで異なりますのでご相談ください。

 

3月の魚病診断結果

魚種 診断件数 魚病名 年齢 魚体重(平均) 被害
マダイ 1 エピテリオシスチス症 0 23g 30尾/日
マダイ 1 エピテリオシスチス症、ビバギナ症 0 25g 10~15尾/日

 

ビバギナ症
単生類のビバギナ・タイが鰓弁に多数寄生し、血液を吸って鰓が貧血する。貧血が極度に進むとへい死する。薬浴が有効。

 

エピテリオシスチス症
マダイ種苗導入期~夏季にかけて稚魚で発生する。鰓に少数のシスト(のう胞)がみられてもほとんど問題はないが,重篤な場合は大量死に結びつく場合もある。クラミジア類の細菌(0.5~0.7μmの球形ないし卵形)が鰓上皮細胞に感染してシスト(10~400μm)が形成される。宿主側の反応として上皮細胞の著しい増生,粘液の過剰分泌,白血球の浸潤などが起こり鰓弁が棍棒化し,呼吸障害に陥る。本菌は水平感染することが確認されている。

 

魚病診断のお問い合わせは下記の南勢種苗センターまでご連絡ください。