7月の魚病診断情報

更新日:2021年08月13日

7月の魚病診断はマダイのビバギナ症、心臓へネガヤ症、エドワジエラ症でした。8月初旬より5m層で水温が28度台に上昇しています。25度以上に水温が上昇するとイリドウイルス感染症に注意が必要です。近年では大きな被害は少なくなっておりますが、死亡率が数10%になることもあります。小割では,病魚が狂奔遊泳するの特徴です。対策はワクチンによる予防。低密度飼育。7~10日間の餌止めです。投薬は被害を増大させる可能性があるので注意が必要です。

 

7月の魚病診断結果

魚種 診断件数 魚病名 年齢 魚体重(平均) 被害
マダイ 1 ビバギナ症 2 540g 8尾/日
マダイ 1 ビバギナ症 2 485g 30尾/日
マダイ 1 心臓へネガヤ症 1 137g 10~20尾/日
マダイ 1 エドワジエラ症 2 775g 3尾/日

 

エドワジエラ症
エドワジエラ・タルダの感染による細菌性疾病。魚齢に関係なく夏季から秋季に多発し、慢性的に長期にわたって死亡が継続する。主に頭部に膿瘍及び腹部膨満を呈し、血糊を含んだ腹水の貯留,肝臓,腎臓および脾臓の膿瘍が形成される。低密度飼育,栄養状態を良好に保つことが発症の低減になる。平成24年にホスホマイシンが本病の治療薬として認可された。

 

心臓へネガヤ症
ヘネガヤ・パグリが心臓および鰓に寄生し,心筋組織の崩壊,鰓弁毛細血管の閉塞・鬱血,鰓弁の棍棒化,鰓弁上皮の剥離等を引き起こす。主に夏季~秋季に稚魚で発生し,慢性的に死亡する。主な症状は鰓の軽度貧血及び、鰓をめくった心臓のある部分の腫れ。対策は給餌過多にならないように注意し,薬浴などのストレスをなるべく与えないようにして酸欠死を防ぎ,胞子の排出による自然終息を待つ。エラの貧血からビバギナ症と誤診し,薬浴しないように注意。

 

魚病診断のお問い合わせは下記の南勢種苗センターまでご連絡ください。