9月の魚病診断情報

更新日:2021年10月25日

9月の魚病診断はマダイのイリドウイルス感染症、エドワジエラ症、クビナガ鉤頭虫症、粘液胞子虫性やせ病。シマアジのレンサ球菌症(α2型)でした。
10月14日に先月魚病調査で巡回出来なかった南伊勢町2地区を三重県漁連、県、市、町の魚類養殖担当者が訪れました。1地区では養殖場を見せていただきました。2年魚で白点病(検体が採取出来なかった為、診断していません)と思われる症状が見られましたが、本症にに関連したへい死はありませんでした。エドワジエラ症と思われる頭部に膿瘍のある魚は見られませんでした。
もう1つの地区では数名に集まっていただき、お話を伺いました。依然としてエドワジエラ症によるへい死は継続しており、1日数尾~10尾程度のへい死がありました。水温の低下と共に徐々に終息に向かうと思いますが、初夏~初冬まで長期にわたり魚齢を問わずへい死するエドワジエラ症は長年のマダイ養殖の課題でありますが、完全に治療する特効薬がなく、低密度飼育と栄養状態を良好に保つことが被害を軽減させることにつながります。
各地域の皆様方、お忙しいなか調査に協力していただきありがとうございました。

 

9月の魚病診断結果

魚種 診断件数 魚病名 年齢 魚体重(平均) 被害
マダイ 1 不明 4 2525g 60尾/日
マダイ 1 イリドウイルス感染症 1 35g 168尾/日
マダイ 1 エドワジエラ症 1 215g 1.2尾/日
マダイ 1 クビナガ鉤頭虫症 2 422g 1.2尾/日
マダイ 1 エドワジエラ症、クビナガ鉤頭虫症 2 367g 10尾/日
マダイ 1 粘液胞子虫性やせ病 1 14g 36尾/日
シマアジ 1 レンサ球菌症(α2型) 2 1165g 1尾/日

 

クビナガ鉤頭虫症
鉤頭虫の直腸への寄生による。本虫は腸管を貫通して腹腔内に吻頸部を突出し,胴部を腸管内に残して体表から栄養分を吸収する。少数の寄生はごく普通にみられ,大きな問題はないが,重篤寄生の場合は成長不良,やせ症状を呈する。腹部が膨満しエドワジエラ症と間違えやすい。効果的な治療対策法はない。
 

魚病診断のお問い合わせは下記の南勢種苗センターまでご連絡ください。