3月の魚病診断情報

更新日:2022年04月09日

3月の魚病診断はマダイのビバギナ症でした。
春になりマダイ稚魚の導入時期になりました。皆様はご存じかと思いますが、稚魚の導入後に多くみられる病気は鰓に寄生するビバギナ症、エピテリオシスチス症です。
これらの病気は魚が小さい時期は、寄生を見逃すと日に日に衰弱し被害が大きくなる可能性があります。寄生を早く発見する為には魚の様子を観察していただき、小割の端でフワフワ泳ぐ魚または給餌の時の活性状況等を参考に普段との違いを発見することが大切です。ビバギナ症、エピテリオシスチス症はそれぞれの対処法で対策ができますので様子がおかしいなと感じた時は最寄りの診断機関へご相談してください。

今年度も引き続き南勢種苗センター山本が魚病診断を担当しますのでよろしくお願いいたします。

3月の魚病診断結果

魚種 診断件数 魚病名 年齢 魚体重(平均) 被害
マダイ 1 ビバギナ症 1 335g 3尾/日
マダイ 1 異常なし 1 428g なし

 

ビバギナ症
単生類のビバギナ・タイが鰓弁に多数寄生し、血液を吸って鰓が貧血する。貧血が極度に進むとへい死する。薬浴が有効。

エピテリオシスチス症
マダイ種苗導入期~夏季にかけて稚魚で発生する。鰓に少数のシスト(のう胞)がみられてもほとんど問題はないが,重篤な場合は大量死に結びつく場合もある。クラミジア類の細菌(0.5~0.7μmの球形ないし卵形)が鰓上皮細胞に感染してシスト(10~400μm)が形成される。宿主側の反応として上皮細胞の著しい増生,粘液の過剰分泌,白血球の浸潤などが起こり鰓弁が棍棒化し,呼吸障害に陥る。本菌は水平感染することが確認されている。

 

魚病診断のお問い合わせは下記の南勢種苗センターまでご連絡ください。