7月の魚病診断情報

更新日:2022年08月18日

7月の魚病診断はシマアジのレンサ球菌症(α1型)2件の診断でした。

8月も下旬に差し掛かり、年間で一番高い水温の時期になっています。令和2年の8~9月に高水温と新型コロナウイルスにより出荷が制限され、飼育密度が高くなった影響でマダイのエドワジエラ症、レンサ球菌症(β型)で多くの被害が出ました。そこで、令和2年8月26日の水温と令和3年8月末の水温を表記しました。水深5mで比較をすると令和2年は令和3年より阿曽浦で1.7度、五ケ所浦で2.7度高くなっています。マダイの養殖適水温は20~28度と報告されているので、29度を超える水温は高密度飼育と相まって厳しい環境でした。5m層の水温が28~29度に上昇した時は、できる限り魚にストレスをかけないように作業をし、給餌は普段の給餌量より少なくした方がストレスが軽減されます。寄生虫の駆虫、密度の高い小割の分養は水温が高くなる前に済ませておくのが良いと思います。

  R2.8.26 R2.8.26 R3.8.30 R3.8.25
  阿曽浦 五ケ所浦 阿曽浦 五ケ所浦
0m 29.6度 30.6度 28.3度
1m 28.2度
5m 29.5度 29.4度 27.8度 26.7度
10m 29.4度 28.4度 25.8度

 

8月中旬に南伊勢海域でマダイ稚魚でイリドウイルス感染症の発症がありました。キリキリした泳ぎをする、へい死が急に増えたなどイリドウイルス感染症が疑われる際は餌止めをして最寄りの機関で診断をしてください。

 

7月の魚病診断結果

魚種 診断件数 魚病名 年齢 魚体重(平均) 被害
シマアジ 1 レンサ球菌症(α1型) 1 825g 8尾/日
シマアジ 1 レンサ球菌症(α1型) 1 845g 11尾/日

 

魚病診断のお問い合わせは下記の南勢種苗センターまでご連絡ください。