8.9月の魚病診断情報
8月25.26日南伊勢町7地区を三重県漁連、県、市町の魚類養殖担当者が魚病調査で訪れました。
高水温が継続している状況で、マダイではエドワジエラ症が例年より多く発生しており、心臓へネガヤ症も確認されております。
マハタではウイルス性神経壊死症が多く発生しています。
また、台風10号が通過した9月7日頃よりマダイのレンサ球菌症の被害が多くなっております。稚魚から3年魚において発症しており、発症件数及び死亡数が多くなっています。対策は投薬及び餌止めを状況に応じて使い分けてください。
9月からの魚病診断件数は17件(9月10日現在)でレンサ球菌症の診断は10件となっております。
8月の魚病診断結果
魚種 | 診断件数 | 魚病名 | 年齢 | 魚体重(平均) | 被害 |
マダイ | 1 | エドワジエラ症、ビブリオ病 | 1 | 314g | 10尾/日 |
マダイ | 6 | 心臓へネガや症 | 0 | 62~235g | 0~15尾/日 |
マダイ | 7 | エドワジエラ症 | 0,1,2 | 96~1265g | 2~60尾/日 |
マダイ | 1 | ビブリオ病 | 0 | 131g | 10尾/日 |
マダイ | 3 | 異常なし | 0,1 | 170~615g | 1~3尾/日 |
シマアジ | 2 | イリドウイルス感染症、ビブリオ病 | 0,1 | 116~601g | 3~23尾/日 |
シマアジ | 1 | イリドウイルス感染症 | 1 | 520g | 3尾/日 |
シマアジ | 1 | イリドウイルス感染症、 ビブリオ病、レンサ球菌症 | 1 | 605g | 10~28尾/日 |
シマアジ | 1 | レンサ球菌症、ビブリオ病 | 0 | 105g | 4~30尾/日 |
シマアジ | 2 | レンサ球菌症 | 0 | 100~136g | 15~20尾/日 |
9月の魚病診断結果 9月10日現在
魚種 | 診断件数 | 魚病名 | 年齢 | 魚体重(平均) | 被害 |
マダイ | 9 | レンサ球菌症 | 0,1,2 | 165~2465g | 1~600尾/日 |
マダイ | 3 | エドワジエラ症 | 1,2 | 390~1400g | 3~15尾/日 |
マダイ | 1 | レンサ球菌症、エドワジエラ症 | 1 | 416g | 6尾/日 |
マダイ | 1 | 不明 | 1 | 303g | 6尾/日 |
シマアジ | 1 | レンサ球菌症 | 0 | 117g | 200尾/日 |
シマアジ | 1 | イリドウイルス感染症 | 0 | 105g | 15~60尾/日 |
シマアジ | 1 | ビブリオ病 | 1 | 605g | 2~6尾/日 |
シマアジ | 2 | 不明 | 1 | 627~770g | 8尾/日 |
レンサ球菌症
マダイのレンサ球菌症は主に夏季~秋季に発生し、グラム陽性菌ストレプトコッカス・イニエ(β溶血性レンサ)の感染により発症する。目立った症状は無く、肝臓,腎臓から菌分離をして診断する。対策は感受性薬剤を投薬する。
ウイルス性神経壊死症(VNN)
本症は多くの海産魚の仔稚魚で発生し、マハタでは仔稚魚だけでなく出荷サイズの大型魚でも頻発することから大きな問題となっている。病魚は生簀網の底に横たわっているか、転覆した状態で水面付近をフラフラと遊泳し、回復することがほとんどないまま死亡する。「転覆病」と呼ばれることが多い。転覆遊泳するものに鰾の膨満が認められるほかは、目視で確認できる外観症状はない。主に夏季~秋季に発症し累積死亡率は50%を超えることもある。対策はワクチンを接種することにより被害が軽減できる。
魚病診断のお問い合わせは下記の南勢種苗センターまでご連絡ください。
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南伊勢町南勢種苗センター
〒516-0221
三重県度会郡南伊勢町宿浦672-5
電話:0599-69-3161
更新日:2020年09月17日